愛知県立岡崎北高等学校 星の教室

愛知県立岡崎北高等学校 星の教室

日時2015/7/23 - 7/24
場所東京大学木曽観測所
対象愛知県立岡崎北高等学校コスモサイエンスコース2年生の生徒40名、および同校教員3名
担当者三戸、舘洞

愛知県立岡崎北高等学校コスモサイエンスコースの2年生(40名)が、東京大学木曽観測所で定期的に行われている高校生向けの天文実習である「星の教室」に参加し、「銀河から来る光の赤方偏移」の実習を行いました。

1日目

まず本館から徒歩でドームに移動し、105cmシュミット望遠鏡の見学を行いました。巨大な望遠鏡の迫力ある姿に、歓声が上がっていました。

望遠鏡見学
望遠鏡見学

次に、実習を始めるに当たって「銀河とは何か?」という講義を行いました。宇宙に数多く存在する銀河は、私たちの住む銀河系とは別の存在であり、地球からそれぞれの銀河までの距離は非常に遠いこと、また銀河は我々から遠ざかっていることを知ってもらいました。

夕食を挟んだ後、ドップラー効果についての講義を行いました。救急車のサイレンやF1が通り過ぎる際の通過音の変化など身近な現象を思い起こすことで、音のドップラー効果を認識しました。つまり「音のドップラー効果」とは、音源が近づいたり遠ざかるときに音の高さが変化する現象を意味します。また音と同じように波の性質を持つ光にも、光のドップラー効果があることを勉強しました。さらに宇宙における光のドップラー効果の例として、我々から遠ざかっている銀河のHアルファ光(656.28nmの波長の光)が長い波長の方向にシフトしている(これを「赤方偏移」と呼ぶ)ことを学び、それを自分たちで調べてみるという今回の実習内容に移りました。

講義(ドップラー効果)
講義(ドップラー効果)

解析の方法を理解することが難しかったようですが、手を動かしているうちにだんだんと飲み込んでいっている様子が見て取れました。また使い慣れていない関数電卓に四苦八苦しつつも、どのグループでも生徒同士で教え合い協力しあって答えを導き出そうとしている姿が印象的でした。

実習風景
実習風景
実習の様子
実習の様子

2日目

昨日の実習内容をまとめたのち、電磁波の性質やHアルファ光の発生原理について学習しました。

講義(まとめ)
講義(まとめ)

まとめ

今回の実習を通して、ドップラー効果という身近な現象と大きなスケールの宇宙が、科学的に繋がっていることを実感してもらえたのではないでしょうか。また物理だけでなく、化学や生物などの知識と絡めた質問が相次ぎ、科学的に考えることの面白さの一端を味わうことができたのではと思います。この経験を踏まえて、今後も天文学や科学に興味を持ち続けて欲しいです。

(記: 舘洞)

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