長野県飯山北高校星の教室

長野県飯山北高校星の教室

日時2013/9/27 - 28
場所東京大学木曽観測所
対象長野県飯山北高校二年生38名、同校教員2名
担当者志村、西原

概要

東京大学木曽観測所において長野県飯山北高校二年生を対象に星の教室を開催しました。 実習では「宇宙の年齢を求める」ということを目標として、まずそれに必要な概念として「視角」とは何かを学びました。 また視角を使って複数の銀河までの距離を求め、銀河までの距離と後退速度の関係から宇宙の年齢の求め方を考えました。

講義風景
講義風景

【一日目】

開校式の後、天文学の歴史や実習のヒントにもなるハッブルの法則などについての講義がありました。 その後、木曽観測所の105cmシュミット望遠鏡の見学が行われました。 生徒たちは大きな望遠鏡やドームが動くと歓声が上げたり、望遠鏡の中を興味深そうに覗き込んだりしていました。

ドーム見学
ドーム見学

実習1では、実際に距離を測らずに対象までの距離を求めるために、ものの見た目の大きさを表す「視角」という概念を紹介しました。 より深く理解してもらうためにデジタルカメラを用いて実験を行いました。 撮った写真上の1cmは視角で表すと何度になるか計算を行い、対象の大きさと視角が分かれば対象までの距離を求められることを確認しました。

実習1
実習1
実習2では銀河のデータベース内の様々な銀河の画像を使って、画像の視野と画像での銀河の大きさの比からそれぞれの銀河の視角を求めました。 また、全ての銀河の大きさを銀河系の大きさと同じだと仮定して銀河までの距離を求めました。

実習2
実習2

実習3では実習2で求めた銀河までの距離と、 データベースから調べたそれぞれの銀河の後退速度をグラフにしてそこからどのように宇宙の年齢を求めればよいか班ごとに熱心に議論していました。

夜は雲が広がることもありながらも綺麗な星空が見られ、生徒たちは普段なかなか見られない天の川など満天の星空に感動している様子でした。

【二日目】

2日目はまず1日目の議論の確認をしながら発表準備を行いました 。議論の続きが始まり準備時間が足りない様子の班もありましたが、各班なりに自分たちの考えが伝わるように一生懸命発表資料を作っていました。 発表会では各班10分の持ち時間の中で自分たちが考えた宇宙の年齢の求め方と結果、そして疑問に思ったことや誤差が出た原因の考察などを発表していました。 実際の宇宙年齢にかなり近い値を求められた班もありました。

発表会
発表会

発表会の後にはまとめの講義が行われ、宇宙の進化について宇宙論の内容も含めた話がありました。

まとめ

ほぼ1日間の短い実習でしたが、生徒たちが一生懸命取り組んでいる姿が印象的でした。 宇宙年齢の求め方を自分たちで考えるところで戸惑う場面も見受けられましたが、 やり方を教えられないという普段の学校ではなかなか出来ない経験が出来たのではないかと思います。

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