さまざまな波長で見た天の川

島根県立松江北高等学校 東大研修

日時2011/2/4
場所東京大学本郷キャンパス
対象島根県立松江北高校2年生 41名
担当者竹本、賞雅、浅見、村仲

島根県松江北高校の生徒さんが研修旅行の一環で、地震研究所を見学しました。まず地震研究所で行われているラボツアーの一部を、竹本が案内しました。緊急地震速報ついてや、地震計からリアルタイムに送られてくる波形を観察しました。次に、地震波のP波・S波の観測装置や津波発生装置で、地震波の伝わり方や実際の災害について紹介しました。続いて、地震研の建物の免震構造を見学しました。地震で建物が倒壊するのを防ぐために、耐震や免震、制震構造など様々な対策が採られています。地震研の建物の柱の下にはゴムが挟んであり、地震波の衝撃を吸収する免震構造になっています。実際に免震構造を見るのは初めてだったようで、生徒さんは驚いていた様子でした。その後ラウンジでの映像を使って地震研で行われている研究の紹介がありました。最新の研究の中から地震波のシミュレーションやミューオンについての紹介があり、少し難しかったかもしれません。最後に化学実験が行われている研究室の紹介や、学生部屋の紹介があり、1時間半の短い時間でしたが、有意義な時間が過ごせたのではないかと思います。

地震研見学の様子
地震研見学の様子

午後は浅見奈緒子(日本教育大学院大学 専任講師)より、星空の向こうには何がある~クエーサーを探して初期の宇宙を探ろう~というテーマのもと出前授業を行ないました。講義の中では、私たちが星空を眺めた時に見える天の川の正体は銀河系で、太陽系も銀河の一部であることや、天体シュミレーターソフトMitakaを用いて星と星との間隔は広く感じるが、銀河と銀河の間隔は意外と狭いことなどの説明がありました。また過去の宇宙の様子を知るためには、遠くの星を観測する必要があり、100億光年以上遠く離れた宇宙を観測するためにはクエーサーという非常に明るい星が観測に用いられることが紹介されました。また、生徒さん一人一人に分光器を作成してもらいました。生徒さんは完成した分光器で太陽光や蛍光灯、LEDの光が分光する様子を観察し、それぞれの光を分光するとまったく違った様子になることに驚いていた様子でした。

光の三原色と色の三原色
光の三原色と色の三原色
地球からだんだん離れていくと・・・
地球からだんだん離れていくと・・・
天の川でも観測する波長を変えると違って見える
天の川でも観測する波長を変えると違って見える

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