授業風景

須磨学園高等学校出前授業

日時2010/12/21
場所須磨学園高等学校
対象高校2年生約80名
担当者藤原、宮田(英)、山村

講義名 :「赤外線で見る宇宙」

講師: 藤原英明(国立天文台ハワイ観測所 広報担当サイエンティスト)

自己紹介の後、赤外線とはなにか?ということで赤外線の特徴を説明しました。身近にある赤外線を紹介し、リモコンが発する赤外線をウェブカメラを通して見てもらいました。赤外線は電磁波の一種であるということを説明した後、赤外線カメラで会場の生徒さんを映して見ると、私たちの目で見える可視光との違いに、みなさん大変盛り上がっていました。

赤外線で見る宇宙
赤外線で見る宇宙

さらにこの赤外線カメラの実験では、コールド、ホットの2つの缶コーヒーを用意し、缶に触れずにどちらがホットコーヒーなのか?という質問を行いました。見た目では全くわからなくても、赤外線カメラを通して見ると2つの違いがはっきりわかります。赤外線カメラを見たことのない生徒さん方は、この実験がとても印象に残ったことでしょう。赤外線など、私たちが普段見ている可視光線以外の波長の電磁波を用いることで、全く異なる世界が見える、ということを生徒さん方もしっかり理解できたようです。

パソコンから出る電波
パソコンから出る電波

これを踏まえて、様々な波長で見た銀河等の画像を見てもらいました。赤外線を用いて宇宙を観測することによって、星が生まれる様子がわかったり遠い銀河を見つけたりできる、という話に、生徒さん方は目を輝かせていたように思います。

また授業の最後には、自らの実体験から研究者になるまでの道のりを話し、生徒さん方は真剣に聞き入っていました。

講義名 :「電波って何だろう “物理学としての電波の世界”」

講師: 宮田英明(早稲田大学先進理工学研究科物理学及応用物理学専攻)

授業は実習や実験VTRを中心に進められました。オシロスコープを用いた人間アンテナの映像を見せると、「うねうねしていて気持ち悪い」と生徒さんから反応がありました。交流電源の波形と照らし合わせてみると、同じだということがわかります。「この時の数値50は何でしょう?」という質問に、ぼそっと"ヘルツ"とつぶやいた生徒さんが指名され、答える場面もありました。ここまでの過程で、身の回りには電波が飛び交っているということを生徒さんたちもよく理解できたようです。

次に、2種類のアンテナについて説明の後、電波受信キットの工作を行いました。電波受信キットは10メートルの導線とダイオード、クリスタルイヤホンのみを用いるという簡単な構造で、原理も中学校で習う電磁誘導を使えば簡単に説明できます。筆箱やビンに巻きつけて形を整えるなど、こだわる生徒さんがたくさんいました。工作後は、パソコンやプロジェクター、電子レンジ、携帯電話など、身の回りにある様々な電化製品にキットを近づけて電波が出ていることを確かめました。生徒さんのみならず、先生方も一緒になって活動されている様子が印象的でした。

電波キットの説明
電波キットの説明

このあと、大学生活や受験、課外活動について、アシスタントも交えてのトークがありました。こちらも生徒さん達にとっては興味深い内容だったらしく真剣に聞き入っていました。

講義の後、「キットでラジオを聞きたい」と言って再び教室を訪れる生徒さん達がいるなど、今回の講義で電波に興味を持っていただけたようです。

放課後に来た生徒さん
放課後に来た生徒さん

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