野沢北高等学校星の教室

野沢北高等学校星の教室

日時2008/10/18 - 19
場所東京大学木曽観測所
対象野沢北高等学校(生徒40名、教師2名)
担当者猿楽、金澤、濱田

概要:

「星の教室」では「宇宙の年齢を求める」ことを目標として一泊二日のプログラムが行われました。

一日目

まず開校式の後に今回どのような事をやっていくのか、また宇宙とはどういったものなのかという事について簡単な講義が行われました(酒向さんが担当しました)

次に105cmシュミット望遠鏡のあるドームへ向かい、ドーム内の見学を行いました。望遠鏡とドームの天井を動かした際には高校生たちから歓声が上がり、望遠鏡を間近で見たり写真を撮ったりしていました。また、望遠鏡の説明をとても熱心に聞いており見学終了後に質問をしている生徒も見られました。

望遠鏡見学
望遠鏡見学 

そして、実習1では視角から距離を求める方法について実験1、2を交えながら講義をしました(金澤が担当しました)。実験1では写真上で1cmが何度であるかを求め、実験2では視角を使って、写真上のいろいろな距離に立った高校生たちまでの距離を求めました。どの班も協力してスムーズに実験を行い、実測距離と視角距離の結果に大きな違いは出ず、みんな納得していたように見えました。

続けて実習その2を行い、実習その1で学んだ視覚の考え方を応用して「銀河までの距離の求める」ことに挑戦しました(講義は濱田が担当しました)。

最後に、実習その3で今回の目的である「宇宙年齢を求める」ことをしました(猿楽さんが担当しました)。高校生たちは後退速度は一定なのか、果たして地球は宇宙の中心なのかなどについて熱く議論を交わしていました。また、先生やTAにも色々と質問をしてきて、そこから、高校生とスタッフの議論に発展することも多々ありました。 

議論中
議論中 

夜は非常に天気が良かったので、生徒たちは外へ出て望遠鏡や双眼鏡を使って月やすばるを見て息抜きをしたり、月の写真を撮影したりしていました。

その後生徒たちはまた教室に戻って宇宙の年齢について考えを煮つめたり、宿題をしたり各々自由な時間を過ごしたりし、夜遅くまで起きていたようです。

二日目

発表の時間まで生徒たちは計算しなおしてみたり、まとめをOHPシートに書いたりしていました。発表時間になってもまだまとめきれなかった班が多数あったので少し時間を延長しました。今回のテーマについての結果を出すまでの各班の考え方はほぼ同じようなものでしたが、その中でもわずかな違いが見られ、興味深いものでした。また発表者に対する生徒からの積極的な質問に驚かされました。発表会が終わってから、酒向さんがまとめの講義をし、閉校式を行いました。

宇宙年齢ってなんなの?
宇宙年齢ってなんなの? 

また、発表会の中では、宇宙の境界とはどこなのだろう?とか、どのようにビックバンが 表されているのだろうか、などの他に宇宙をピザ生地にたとえるなどユニークな発想をした 班もありました。また、誤差についての考察なども行われ、多角的に今回のテーマを検証す ることができたのではないでしょうか。

発表中
発表中 
最後の講義
最後の講義 

まとめ

今回の「星の教室」で高校生たちは、研究するということや議論すること、そして結論を出すこと、そしてその過程を人に説明することの難しさを学んだと思います。また、人前で何かを発表するといった日常生活ではなかなか体験できない事を今回の教室でやったことによって、自分自身に自信を持つことができたのではないかと思います。今回の貴重な体験、学んだことを大切にしていってほしいと思いました。

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