高校で出前授業

第22回出前授業

日時2007/10/26
場所島根県立松江北高校
対象生徒166名、中国からの交流団10名
担当者藤原、金井、内海、岡田、團野、金澤

内容

島根県立北高校の総合学習の時間にお招きいただき 4 講座を開講いたしました。

講座ごとの高校生の反応は新しい分野の話に熱中する生徒や、学校で習った科目のより深い理解に感動する生徒など様々でした。 また、科学について親しみを覚え、難しいけど面白いという感想がありました。

以下に開講された4講座の紹介をいたします。

講座1「重力レンズを使ってダークマターをはかる」

内海洋輔(総合研究大学院大学)

まず、天文の基礎である視角を用いた距離測定の話を実習を通して行いました。また、実際に生徒に答えさせ、常に生徒の興味をひきつけていました。ダークマターや宇宙の構造の話をしていく中で生徒の宇宙に対してさらに深く知るきっかけとなったのではないでしょうか。講義が進むにつれ、宇宙という存在をとらえどころのない不思議なものと思った生徒もいたようです。質問時間では非常に多岐な質問が出ました。宇宙の構造からETの話まで自由に質問できる雰囲気もこの授業の特徴でした。

講座2「こころの地図の描き方」

岡田謙介(東京大学大学院総合文化研究科)

地図から距離を測るのではなく、距離から地図を作るという新しい考え方に生徒は驚きながらも真剣に話を聞いていました。距離を用いて地図を実際に作る実習でも活発に活動していました。また、今回の題意であるこころの地図という部分では、国民が感じる様々な国風や色覚の類似度を距離というものさしを用いて表すという発想に不思議そうな様子でした。また、数式(行列)を用いる講義であったため、若干難しいと感じる生徒が多いようでした。

距離から地図へ
距離から地図へ

講座3「電波をつかまえよう」

金井陽子(横浜こども科学館)+藤原英明(東京大学大学院理学系研究科)

自然界・日常にある電波を紹介し、また、それらの電波を検出できる簡易キットによる実験を交えて、電波の講義をしました。日常における電波の話や電流による磁場の発生や誘導電流などの説明をしました。学校で学習したことや新しい話に真剣に耳を傾けていました。 また、キットを作成すると生徒は積極的に電波を発見すべく教室中を動き回っていました。電子レンジや蛍光灯、パソコン、携帯電話、テレビなど日常の中に電波がこんなにあふれているのかと感動していました。実験のあとは、雷電波、オーロラ電波等の自然の電波についての話をしました。また、研究でも電波が用いられていることにも驚いていました。楽しく時間を過ごせたのではないでしょうか。

電波を探せ!
電波を探せ!

講座4「遺伝子の基礎と身近な話」

團野宏樹(東京大学大学院総合文化研究科)

DNAと遺伝子について詳しい動画や絵を用いて非常に分かりやすく講義を行いました。 生物の授業で学習していたこともあり、理解しやすいと感じた生徒が多いようです。しかし、遺伝子などに対して明確なイメージを持っていなかったため、このような画像は生徒に驚きと再発見を与えたようです。遺伝暗号表による遺伝子の話や遺伝形質、遺伝子組み換えなどの話では生命の不思議さに驚きを隠せない様子でした。また、休み時間でも盛んに講師に質問するなど生徒の心を捉えた授業であったのではないでしょうか。

遺伝子とは
遺伝子とは

終了後のアンケートではほぼ全員の生徒がまた参加したいという欄に記入し、感想の欄でも非常に感動や科学の面白さについての記入が目立ち、今回の出前授業の様子を反映していました。今後も科学に興味を持っていただきたいと思います。

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